元入金(資本の部) – 勘定科目・仕訳例

元入金(もといれきん)は個人事業主が事業を開業した際に支出した資金を計上するのに使用します。個人事業主のみが利用する勘定科目なので、法人は使用しません

例えば、開業の際に事業用の銀行口座を作り、そこに事業主のポケットマネーを10万円入金した、というような場合です。この場合、10万円は事業用の資産として扱われるようになりますが、この10万円を元入金として計上します。

元入金勘定を使用するのは、事業開始年度の期首のみとなります。また、資本金と異なり経営状況により毎年度変化します。

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その後に事業資金を支出した場合

元入金は事業を始めた最初にだけ使用するため、それ以後の仕訳には使用せず、事業主借(資本)勘定を使用します。

元入金は年度ごとに変わる

元入金は、事業主が期中に貸し出した金額を決算時点で毎年元入金に繰り入れます。事業主借から事業主貸を引いた金額が繰入額となります。また、青色申告特別控除前所得金額も繰り入れます。要するに、事業主が事業に投じた金額と儲けの両方は元入金として増え続けていく形になります。したがって、毎年度ごとに元入金は次のように変化します。

当期元入金 = 前期元入金 + 事業主借 - 事業主貸 + 青色申告特別控除前所得金額

上記の計算により元入金の金額が変動し、事業主借・事業主貸・青色申告特別控除前所得金額は毎年期首(1月1日)に残高が0円となります。この処理はほとんどの会計ソフトでは自動で行い翌年度の期首に仕訳します。また、この仕訳は基本的に表示されません。したがって、上記の計算をして自ら仕訳する必要はありません。勝手にやってくれるので気にしなくていいや!というスタンスで構いません。

もし元入金の額の更新が手動の場合やご自身で手書きの仕訳をする場合は、ページ下部の仕訳例を確認して下さい。

事業主借や利益が積み上がっていくと年度ごとに元入金の額は大きくなっていきます。

逆に、事業主貸が事業主借より多い年度が続いたり、赤字の年度が続いたりすると、元入金の額がマイナスとなることもあります

元入金は青色申告特別控除前所得金額が積み上がっていけば額は増えていきますが、事業主貸の分だけ減少しますので、「元入金の金額 = 儲け」という訳ではありません。

仕訳例

▼現金7万円と個人名義のA銀行普通預金口座(残高5万円)を事業資金として確保し、1万円の事務机(消耗品費)を購入して個人事業を開業した。

借方科目 貸方科目
現金
普通預金(A銀行)
消耗品費
70,000円
50,000円
10,000円
元入金
元入金
元入金
70,000円
50,000円
10,000円

▼個人事業を開業する際に事務用品(消耗品費)を5万円分購入した。事業用の口座は作らず、事業用に現金は管理していない。

借方科目 貸方科目
消耗品費 50,000円 元入金 50,000円

▼個人事業を開業したが、事業用の現金・預金を管理する予定はなく、開業時点で個人的に支出した経費もない。

借方科目 貸方科目
仕訳なし 仕訳なし

▼前年度に元入金10万円で個人事業を開業し、前年度の決算時点で事業主借残高45万円、事業主貸残高7万円、青色申告特別控除前所得金額が30万円となった場合の翌年度期首の仕訳(手動の場合)。

期首の元入金 = 10万円 + 45万円 - 7万円 + 30万円 = 78万円
借方科目 貸方科目
事業主借
元入金
所得金額
450,000円
70,000円
300,000円
元入金
事業主貸
元入金
450,000円
70,000円
300,000円

※元入金の増加額は 78万円 – 10万円 = 68万円 となります。

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