商品(棚卸資産) – 勘定科目・仕訳例

商品(しょうひん)は、期末に売れ残った在庫商品分の仕入高を資産として計上します。

通常、販売用の商品を仕入れた際は全額を仕入高(費用)勘定で計上しますが、期末までに全て売却できなかった場合に売却していない商品も含めて費用計上することになるため、決算の間だけ売れ残り分を資産に振り替え、翌期首に再び費用として計上します。

なお、期末に自社製造の商品の在庫がある場合、商品勘定ではなく製品(資産)勘定で計上します。

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棚卸し

棚卸し(たなおろし)は、商品の実際の個数を数える作業のことです。

在庫管理をきちんと行っている企業では在庫管理システムを用いてどの商品が何個売れて今いくつの在庫があるのかをシステム上で把握していますが、盗難・万引き・紛失等により帳簿上の在庫数と実際の在庫数がぴったり合うことはめったにありません。

したがって、期末には必ず棚卸しを行い、商品の実際の有高(ありだか)を調べた上でその個数分の商品を商品勘定に振替する必要があります。

期末棚卸高・期首棚卸高勘定を使用する

期末商品棚卸高(きまつしょうひんたなおろしだか)

期末に売れ残った商品に相当する仕入高を商品勘定に振り替える場合、仕入高勘定を逆仕訳するのではなく期末商品棚卸高勘定を使用します。期末商品棚卸高は売上原価から差し引かれます。

仮に期末に棚卸しを行い100円の商品が100個あったとします。100円×100個=10,000円分の商品を資産計上する必要がありますので、下記のように振替処理を行います。

借方科目 貸方科目
商品 10,000円 期末商品棚卸高 10,000円

※期末商品棚卸高は売上原価を減少させます。これは仕入高を貸方に逆仕訳(取消し)するのと同じことになります。

期首商品棚卸高(きしゅしょうひんたなおろしだか)

また、翌期首には前期末に商品(資産)として計上した商品を再び費用に振り替える処理を行いますが、こちらも仕入高勘定を使用せずに期首商品棚卸高勘定を使用します。

借方科目 貸方科目
期首商品棚卸高 10,000円 商品 10,000円

※期首商品棚卸高は売上原価を増加させます。これは仕入高を借方に計上するのと同じことになります。

費用収益対応の原則

この処理を決算毎に繰り返せば、未販売の商品の仕入高を経費として計上することがなくなります

会計原則では費用収益対応の原則というものがあり、ある商品を販売した場合には販売した分に相当する費用(ここでいう売上原価)を計上する必要があります。

なぜなら、売れていない商品の仕入れ分を原価として計上すれば実際より利益を少なく計算することになりますし(過少申告・脱税)、売れた商品の仕入れ分を原価計上しなければ実際より利益を多く粉飾(ふんしょく)することになり、適切な期間損益を計算することができなくなるからです。

実地棚卸と棚卸減耗損

実地棚卸(じっちたなおろし)とは、実際にいくらの在庫があるかを現場で確認することです。棚卸しといえば実地棚卸のことといって問題無いでしょう。

期中に1万円の商品を10個仕入れ、そのうち6個を販売したとします。すると、在庫は

10 - 6 = 4 (個)

となりますので、商品(棚卸資産)として資産に振り替える代金は

4 × 10,000 = 40,000 (円)

となります。しかし、実際に倉庫と店舗の在庫数を数えてみたところ3個しか無かったという場合、棚卸資産に振り替える金額は

3 × 10,000 = 30,000 (円)

となります。上記のケースの場合、3万円を商品勘定に振替処理するところまでは解説しましたが、実地棚卸により1個の商品が無くなっており、仕入れ値ベースで10,000円分の損失が生じていることが発覚しました。

このような在庫ロスは管理上の損失ですので、販売に対応する売上原価を計上するための仕入高と合わせて計上すると、商品の紛失等による損失なのか単に商品を販売した際の仕入なのかが判別できなくなりますので、区分する必要があります。

したがって、実地棚卸により在庫管理システム上と実地棚卸とで在庫数に差異があった場合、その差額分を棚卸減耗損(費用)勘定で処理することになります。

上記のケースの場合、期末に1万円の棚卸減耗損と3万円の商品の計上を行います。

借方科目 貸方科目
棚卸減耗損
商品
10,000円
30,000円
期末商品棚卸高
期末商品棚卸高
10,000円
30,000円

商品の評価額の算出方法

商品に振り替える金額は次のように計算します。

商品 = 期末の商品数量 × 評価額

この評価額の算出方法には様々な種類がありますが、特に指定しなければ最終仕入原価法で行います。最終仕入原価法はその商品を最後に仕入れた時の仕入れ単価を評価額とします。

商品評価損

商品を仕入れてから期末までに商品価格が下落して正味売却価額よりも下がった場合、在庫商品の帳簿価格を評価額に合わせて仕入れ金額との差額を評価損として計上します。

その際は実地棚卸をして不足分の棚卸減耗損を計上したあとで、実際の有高に対して仕入額と評価額との差額を計算し、差額を商品評価損(費用)勘定で計上します。

なお、正味売却価格は市場で売れる価格(時価)からまだ計上していない見込みの売上原価や販売に必要な経費を差し引いた金額となります。

仕訳例

▼期末に2万円で仕入れた商品(仕入れ時に仕入高として計上)が5個売れ残っていた。

借方科目 貸方科目
商品 100,000円 期末商品棚卸高 100,000円

▼上記の事案において、翌期首の仕訳。

借方科目 貸方科目
期首商品棚卸高 100,000円 商品 100,000円

▼期中に1万円の商品を10個仕入れ(仕入高に計上)、期末までに6個を販売したが、期末に実地棚卸を行ったところ4個あるはずの在庫が3個しかなかった。

借方科目 貸方科目
商品
棚卸減耗損
30,000円
10,000円
期末商品棚卸高
期末商品棚卸高
30,000円
10,000円

▼上記の事案において、残りの3個の在庫商品が価格競争により正味売却価額が8,000円へ値下がりしていた。

( 10,000 - 8,000 ) × 3個 = 6,000 (円)
借方科目 貸方科目
商品評価損 6,000円 商品 6,000円

※すでに上記の事案において期末の棚卸商品を商品勘定へ振替処理済のため、商品勘定から商品評価損勘定へ振り替えます。商品勘定への振替が済んでいない場合、期末商品棚卸高から直接商品評価損へ振替処理を行います。

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