短期借入金(流動負債) – 勘定科目・仕訳例

短期借入金(たんきかりいれきん)は、返済期限が1年以内の借入金を計上します。1年を超える場合は長期借入金(負債)勘定を使います。

個人事業主の場合、事業主以外から借り入れた場合に使用します。例えば銀行などの金融機関からの借入れが該当します。事業主からの借入れは事業主借(資本)勘定を使います。

法人の場合、銀行や取引先だけでなく法人の役員等から資金を借り入れた場合にもこの勘定を使います。

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返済の合意がないと短期借入金とはならない

借入金は「返済をすることを約して」行うものですから、返済の合意がない場合は借入金とは言えず、給与や寄付金として扱われます

社長や経営者の親族が資金繰りのために私財や役員報酬を会社に貸し付けることもありますので、その際は返済の合意がある場合は短期借入金・長期借入金(負債)を計上し、返済の合意がない場合は給与となりますので役員報酬・給料手当(費用)で計上します。

長期借入金のうち返済が1年以内となった部分の扱い

長期借入金(負債)勘定のうち返済期限が1年以内になったものは、短期借入金に振替処理を行います。具体的には、長期借入金を減らし短期借入金を増やす会計処理を行います。

仕訳例

▼金融機関から50万円を10ヶ月後返済の契約で借入れ、利息2万円が差し引かれて普通預金口座に入金された。

借方科目 貸方科目
普通預金
支払利息
500,000円
20,000円
短期借入金
普通預金
500,000円
20,000円

▼資金繰りのため一時的に社長(役員)から20万円を現金で借り入れた。

借方科目 貸方科目
現金 200,000円 短期借入金 200,000円

▼資金繰りのため社長(代表取締役)への役員報酬の支払いを借入金で処理し、来月分の役員報酬支払い時に合わせて返済することとした。役員報酬額は60万円、社会保険料の天引きは8万円、源泉徴収税額は5万円であった。

借方科目 貸方科目
役員報酬
短期借入金
短期借入金
600,000円
80,000円
50,000円
短期借入金
預り金(社保)
預り金(所得税)
600,000円
80,000円
50,000円

▼期中に金融機関から返済期間10年で500万円の融資を受け、全額を長期借入金として計上した。決算時点において来期分の返済予定額は50万円となっている。

借方科目 貸方科目
短期借入金 500,000円 長期借入金 500,000円
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