支払手数料(販管費) – 勘定科目・仕訳例

支払手数料は、サービスの提供を受け手数料を支払った時の費用を計上します。

主に管理手数料や仲介手数料などがありますが、人間によるサービスだけでなく機械や業務システム等の利用もサービスとして扱いますので、金融機関の振込手数料やATM利用手数料も支払手数料となります。

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支払手数料に計上しない場合

資産の取得原価に加える場合

不動産を購入した際に不動産会社に支払う仲介手数料は、取得に直接かかる経費であり不動産の取得価格に含めて計算しますので、仲介手数料相当額を土地・建物に合理的な金額で按分した上で土地・建物価格に上乗せして計上します(資産計上)。

例えば、1500万円の不動産(土地500万円、建物1000万円)を取得し、30万円の仲介手数料を支払った場合、1500万円に占める土地価格の比率は1/3であり、建物は2/3となりますので、仲介手数料も同じ比率で按分し、土地の取得に対する仲介手数料を30万円×1/3=10万円、建物の手数料を20万円と見積り、土地を510万円、建物を1020万円で資産計上します。

借方科目 貸方科目
土地
建物
510万円
1020万円
現金
現金
510万円
1020万円

なお、不動産売却時には資産計上は必要ありませんので、売却の仲介にかかる仲介手数料は支払手数料となります。

売上原価に加える場合

販売目的の商品を仕入れた場合は仕入高(売上原価)に計上しますが、仕入れに対してかかる購入手数料等の各種手数料は取得に要した費用となりますので、仕入れにかかる輸送費・運送保険料・関税等と合わせて仕入高(売上原価)として計上します。

仮に販売目的で3,000円の商品を100個仕入れて輸送費3万円、代金決済手数料等の購入手数料を1万円支払った場合、次のような仕訳となります。

借方科目 貸方科目
仕入高
仕入高
仕入高
300,000円
30,000円
10,000円
現金
現金
現金
300,000円
30,000円
10,000円

※それぞれ支払先が違うため、金額は分けて記載し、摘要欄に取引相手を記載します。例えば仕入代金はI商事、輸送費はY運輸、決済手数料はSファイナンスといった具合です。

高度専門職に対する報酬

税理士・会計士・弁護士・司法書士等の高度専門職に支払う報酬は、支払手数料で計上しても構いませんができれば支払報酬(費用)勘定で処理したほうがベストです。

税理士・弁護士等への報酬の支払時は殆どのケースで所得税の源泉徴収をしてから支払う必要があり(税理士法人・司法書士法人・弁護士法人等の法人に支払う際は源泉徴収は不要)、また年始(1月31日迄)に前年の1月1日から12月31日までに支払った報酬額を合計して法定調書に記載して管轄の税務署に提出する必要があるため、振込手数料等の細かい仕訳がたくさんある支払手数料とは勘定科目を分けたほうが管理がしやすいからです。

行政機関に支払う証明書発行手数料等

行政機関に支払う次のような各種代金・手数料は租税公課(販管費)勘定を使用します。

  • 証明書代金
  • 証明書発行手数料
  • 各種行政機関の印紙(行政手続に用いるもの)
  • 証明書閲覧手数料

なぜ行政機関の場合は租税公課になるのか?

行政機関が受け取る手数料には消費税が課税されないためです。

(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。

引用元:No.6201 非課税となる取引

金融機関や仲介会社等に支払う手数料は消費税がかかるため課税取引(課税仕入れ)となりますが、行政機関が受け取る手数料には消費税が課税されないため、消費税法上は非課税取引となります。

消費税が課税される業者(課税事業者)は課税売上に対して仕入税額控除を差し引いた差額に対して消費税率を掛けて消費税を納付します。

( 課税売上高 - 仕入税額控除 ) × 消費税率 = 消費税額

仕入税額控除として差し引ける課税仕入れは支払手数料に計上し、収入印紙の購入代金や行政機関への支払手数料といった非課税仕入れは租税公課勘定に計上することで消費税額の計算を容易に行うことができます。消費税の申告時に仕入税額控除を計算する際、租税公課の合計金額を仕入税額控除の計算対象から外すだけで済むわけです。

区役所に設置されている民間企業所有のコピー機の使用料

行政機関に設置されている複合機で各種台帳のコピーをすると、領収書の発行者が民間企業の場合があります。これは民間企業に複合機の設置・運用を委託しているケースが多く、区役所内に設置された自販機と同じようなものでしょう。

この場合は民間企業の課税売上となりますので支払手数料雑費で計上するのが良いでしょう。

ただ、行政機関が手数料条例や行政規則等で手数料額を定め、コピー機を行政機関または委託した民間事業者が徴収する場合、場合によっては非課税取引となる可能性があります。詳しくはそのコピー代が法令に定める行政手数料に該当するかについて行政機関に直接問い合わせることをおすすめします。

仕訳例

▼不動産会社に所有物件の管理委託手数料3,000円をM銀行普通預金口座から振り込んだところ、振込手数料420円が残高から差し引かれた。

借方科目 貸方科目
支払手数料
支払手数料
3,000円
420円
普通預金(M銀行)
普通預金(M銀行)
3,000円
420円

▼不動産の調査のため管轄の区役所で各種資料を取得し、証明書発行手数料1,200円、下水道台帳のコピー代50円、道路台帳のコピー台40円(コピー代の領収書の発行者は民間企業だった)を現金で支払った。

借方科目 貸方科目
租税公課
租税公課
支払手数料
1,200円
50円
40円
現金
現金
現金
1,200円
50円
40円

※行政機関に設置されているコピー機であっても、民間企業が設置しコピー機の売上を得ている場合は消費税が課税されていますので、仕入税額控除の対象であり、支払手数料に計上します。

▼A銀行普通預金口座から5万円を出金したところ、振込手数料105円が口座から引き落とされた。

借方科目 貸方科目
現金
支払手数料
50,000円
105円
普通預金(A銀行)
普通預金(A銀行)
50,000円
105円

▼代引きで注文した事務用品(消耗品費)が到着し、代金1万円と代引手数料315円を現金で支払った。

借方科目 貸方科目
消耗品費
支払手数料
10,000円
315円
現金
現金
10,000円
315円
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