不渡手形(ふわたりてがた)

目次

概要

個人事業主法人

受取手形が満期日に決済できなかった時に他の受取手形と分けて管理するために計上します。

通常、受取手形は満期日が到来すれば
銀行でほぼ確実に支払いを受けられますが、
支払いを拒絶された不渡手形は回収が非常に困難となります。

したがって、当座資産(短期に回収可能な資産)である受取手形とは分ける必要があります。

不渡手形の区分表示

不渡手形は流動資産の「その他流動資産」として表示すべきですが、
1年以内に現金化できないことが明らかな場合、
固定資産の「投資その他の資産」として計上します。

裏書譲渡と不渡手形の関係

受取手形が不渡手形となった場合、
手形に裏書(うらがき)があればその裏書人に支払いを請求できます遡及義務)。

裏書人から支払いを受けた場合、不渡手形勘定を取り崩します。

逆に、手形を他者に裏書譲渡した場合や銀行で手形割引をした場合、
譲渡・割引した手形が不渡りとなった場合は
支払人に代わって代金を支払う義務を負います。

この代金支払いは手形の買い戻しとなるため、
不渡手形(資産)勘定で計上することになります。

支払いが回収不能となった場合

回収不能となった場合、他の債権と同様に貸倒損失(費用)勘定で処理します。

仕訳例

▼取引先から裏書譲渡を受けた額面35万円の受取手形が満期日に支払いを拒絶された。

借方科目 貸方科目
不渡手形 350,000円 受取手形 350,000円

▼上記の事案において、不渡手形の代金を裏書人に請求したところ、現金で全額の支払いを受けた。

借方科目 貸方科目
現金 350,000円 不渡手形 350,000円

▼上記の事案において、裏書人が不渡手形を買い戻した時の仕訳。

借方科目 貸方科目
不渡手形 350,000円 現金 350,000円

▼不渡手形10万円が回収不能となった。

借方科目 貸方科目
貸倒損失 100,000円 不渡手形 100,000円

▼額面20万円の不渡手形の支払いを支払人に求めたところ、現金で支払いを受けた。

借方科目 貸方科目
現金 200,000円 不渡手形 200,000円
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