前払費用(まえばらいひよう)

目次

概要

個人事業主法人

継続して役務の提供を受ける契約において、
まだ役務の提供を受けていない部分に支払った金額を計上します。

前払費用となるもの

地代・家賃、リース等の賃借料、保険料や広告料、借入金の利息の前払いが該当します。

前払費用とならないもの

前払費用は契約に基づいて使途や金額が確定した場合に計上するので、
使途や金額が未確定の場合は仮払金(資産)勘定で処理します。

商品・材料代・固定資産等の購入時
商品等の受け入れに先立って前払いをした場合は
前渡金(資産)勘定で処理します。

また、建物を新築する場合の建設代金を前払いした場合は
建設仮勘定(資産)勘定で計上します。

塀や舗装等の構築物の建設機械装置の制作代金の前払いも
建設仮勘定を用います。

決算時のみに使用します

提供を受けていない費用を繰り延べるために
決算時に一時的に資産として計上するための勘定科目ですので、
期中に発生することはありません。

事務所や社宅を賃借した場合、
翌月の賃料を当月末に支払うのが一般的ですが、
毎月前払費用として処理する必要はありません。

あくまで異なる事業年度間で期間損益を正確に計算するのが目的ですので、
支払いと役務の提供が事業年度をまたいだ場合、
前払費用で言えば支払いの翌期以降に役務の提供が来る場合に限り、
前払費用で計上します。

逆に、役務の提供を受けたにもかかわらず支払いが翌事業年度以降であれば、
未払費用(負債)勘定で処理する必要があります。

利益操作の防止

前払費用の存在意義は利益操作の防止にあります。

儲かっている事業年度に翌期以降の経費もまとめて大量に払って
利益が少なくなるように操作するのを防ぐために
前払費用として資産計上し、費用処理しないようにします。

仕訳例

▼決算時に翌月分当月末払いの契約になっている事務所賃料10万円を資産計上する。なお、賃料は毎月A銀行普通預金口座から振り込んでいる。

借方科目 貸方科目
前払費用 100,000円 地代家賃 100,000円

▼上記の事案において、翌期首の処理。

借方科目 貸方科目
地代家賃 100,000円 前払費用 100,000円
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